殺菌に
By aw
海外旅行に梅干しを持参する人がよくいらっしゃいますが、
これは大変理にかなったことといえます。というのも、水が変わったり、
日頃食べられない料理を口にしたりすれば、
特に胃腸の弱い人は食あたりしかねないからです。
その点、梅干しがそれから胃腸を守ってくれます。
というのも、健康な胃であれば、胃液の中の塩酸が有害な菌を
殺すのですが、胃が弱っているとその力が鈍るのです。
なにしろ多くの細菌は酸に対して弱点を持っています。
そのため胃の動きが弱まると胃酸も減少することから、細菌を殺しづらくしてしまうのです。
その結果、食あたりや食中毒などが起こります。
ですから、胃腸の動きを活発にしておくためには、日頃から酸を十分体内に取り込んで
おくことがなによりも必要と言います。
それにはクエン酸を始めとする有機酸を豊富に含む梅干しが最適と言われています。
またベンツアルデヒドという抗菌性の強い成分も含んでいます。
梅の実は、黄色ブドウ球菌、チフス菌、枯草菌、フレキシネル菌、
赤痢菌などに対して抑制作用を示し、各種真菌に対して抑制作用を持つと言われます。
梅の実の持つ殺菌力がどれほど強いかといえば、たとえば、すりおろした梅の実を
煮つめてつくる梅肉エキス中では、コレラ菌の場合は5分、腸チフス菌だと10分、
赤痢菌だと1時間で死滅すると言います。
梅干しは梅肉エキスほどでなくても、それに近い殺菌力を発揮することはないでしょう。