便秘の時には野菜をたくさんとること、適度な運動をすることなどなど、いろいろ方法が
あげられますが、梅干しもまたその一つとして昔から利用されると聞きます。
というのも、梅干しに含まれる有機酸には腸を刺激して、ぜんどう運動を活発にする
働きがあるとの事です。また、梅干しに含まれるカテキンという物質にも腸の働きを
活発する効果があると言われ、腸の働きが活発になれば便通がよくなり、自然と便秘は
解消されます。
では便秘とは逆の下痢のほうは梅干しの持つ腸の働きをスムーズにする作用に
よって効力が発揮すると言われます。
梅干しに含まれるクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの成分が腸の中の悪玉菌をおさえ、
腸の働きを整え、それによって下痢が解消を助けるとされます。
つまり、梅干しは腸の水分吸収が強すぎて便秘になった時にはこれを抑制し、
反対に弱すぎて下痢になった時にはこれを促進させるという両面のすぐれた
働きを合わせ持つと言われています。

 

肥満は病気ではありませんが生活習慣病(成人病)の引き金と なると言われています。
現在肥満の状態にある人はできるだけそれを改善することが大切ですし、
今はそうでない人でも、日頃から肥満にな らないように心がけることが必要でしょう。
肥満には病気や遺伝的なものが要因となる場合がありますが、
やはり一番多いのは食べ過ぎに運動不足が重なることと考えられます。
また、十分な運動をしたら摂取したカロリーはスムーズに運動エネルギーに代謝することが
必要でしょう。
そこで肥満を防ぐには、必要な栄養素をしかもバランスよくとり、
そのうえで運動量にみあったエネルギーを摂取するとともに、
その代謝をスムーズにすることが大事で、その働きを梅干しが盛んにしてくれるでしょう。
梅干しはクエン酸が豊富ですが、クエン酸を筆頭とする有機酸には体内の代謝を
スムーズにして老廃物を排出し、脂肪の蓄積を防ぐ働きがあると言われています。
食事からとった炭水化物やたんぱく質などの栄養素はクエン酸などの酸の働きによって
円滑にエネルギーに変わるのですから、このとき酸が不足すれば栄養素の分解は
スムーズにいかず、その結果、余分な脂肪が体内にたまりやすくなります。
ですから肥満を防止するには、クエン酸を豊富に含む梅干しを食べるのがよい
と言われています。

 

生活習慣病(成人病)の中でも日本人に多いものといえば脳血管障害があがります。
つまり脳梗塞や脳出血などの病気です。特に脳梗塞が多く、その中のとりわけ
脳血栓は、脳の動脈硬化部位に血栓ができて血管をふさぐことによって起こると言います。
つまり、血液の流れがスムーズにいかず、血管の途中で詰まってしまうのです。
要するに血管の老化です。そのため体に麻痺が起こったり、言語障害が現れたりします。
脳梗塞などの脳血管障害を予防するには、なんといっても血管の老化を招く過酸化資質を
ためないことが大切です。
体内に取り込んだ酸素が活性酸素を生み、それが物質とくっついて生みだされる
有害物質が過酸化資質で、実際これが血管に作用して動脈硬化や血栓症などの病気を
生じさせるのです。
では、過酸化脂質をためないようにするにはどうすればいいかといえば、やはりここでも
梅干しに含まれるクエン酸が活躍します。クエン酸は過酸化旨質を取り除くだけではなく、
血管そのものを強くする働きも持っていて、脳梗塞の予防だけに限らず、病後の回復にも
効果を発揮すると言われています。
また、クエン酸には免疫の最大の担い手であるマクロファージという免疫の最大の担い手である
マクロファージという免疫担当細胞を活性化する働きもあります。マクロファジーは
外から進入しようする有害な微生物をやっつけ追い出ししてしまう免疫軍団の最強の
兵士であると共に、過酸化脂質などの血管内の老廃物を除去する役目もこなします。
ですからマクロファジーを元気づければ、過酸化脂質がより効果的に取り除かれることになると言われています。

 

酸素は人間が生きていくうえでなくてはならないものですが、時に有害な物質に
変わることがあります。体内に取り込んだ酸素のうち2パーセントがそうなるのですが、
これが活性酸素といわれるものです。
この活性酸素が遺伝子(DNA)を損傷して細胞をガン化させたり、過酸化脂質を
つくりだして血管や細胞の老化を早め、つまりガンの原因の一つは
この活性酸素にあると言われます。というと、人の体は活性酸素にやられっぱなしのようですが、
そうはさせまいと、体にはもともとこのような悪玉物資に立ち向かうものが備わっています。
それが唾液に含まれる酸素です。たとえばぺルオキシターゼとう酸素には過酸化脂質を
文化する力があり、また、カタラーゼという酸素にはわずか1分子で6万分子の
過酸化水素を水にする力があります。実験によれば、発ガン物資として指定されている
アフラトンキシン(カビ毒)やニトロソアミン化合物、またペンツピレン(排気ガス)などと
唾液を混ぜておくと、これらの発ガン物質の活性化が消失したという報告もなされているとの事です。
梅干しは唾液を促進するため、梅干しをよく食べているとガンになりにくくなるだけでなく、
すでに発生したガンに対しても効果が発揮される
と言われてます。
烏梅(ウバイ)を水から煎じた液が腹水ガンに対して抑制作用のあることもその一つで、
実験によって確かめられていると言います。

 

殺菌に

By aw

海外旅行に梅干しを持参する人がよくいらっしゃいますが、
これは大変理にかなったことといえます。というのも、水が変わったり、
日頃食べられない料理を口にしたりすれば、
特に胃腸の弱い人は食あたりしかねないからです。
その点、梅干しがそれから胃腸を守ってくれます。
というのも、健康な胃であれば、胃液の中の塩酸が有害な菌を
殺すのですが、胃が弱っているとその力が鈍るのです。
なにしろ多くの細菌は酸に対して弱点を持っています。
そのため胃の動きが弱まると胃酸も減少することから、細菌を殺しづらくしてしまうのです。
その結果、食あたりや食中毒などが起こります。
ですから、胃腸の動きを活発にしておくためには、日頃から酸を十分体内に取り込んで
おくことがなによりも必要と言います。
それにはクエン酸を始めとする有機酸を豊富に含む梅干しが最適と言われています。
またベンツアルデヒドという抗菌性の強い成分も含んでいます。
梅の実は、黄色ブドウ球菌、チフス菌、枯草菌、フレキシネル菌、
赤痢菌などに対して抑制作用を示し、各種真菌に対して抑制作用を持つと言われます。

梅の実の持つ殺菌力がどれほど強いかといえば、たとえば、すりおろした梅の実を
煮つめてつくる梅肉エキス中では、コレラ菌の場合は5分、腸チフス菌だと10分、
赤痢菌だと1時間で死滅すると言います。
梅干しは梅肉エキスほどでなくても、それに近い殺菌力を発揮することはないでしょう。

 

日本に梅の実が伝わったのは今から約1500年前、大和朝の時代といわれ、
梅の木の原産地は中国の湖北省の山岳地帯で、日本へも中国から伝わりました。
当初は食用ではなく、お茶と同様に薬用としてでした。「烏梅(ウバイ)」といって、
梅の実をかまどの上で燻(いぶ)して つくる、いわゆる燻製(くんせい)した梅で、
漢方薬として入ってきたのです。

その後、奈良時代になって、盆栽用の花木として 梅の木が伝来しました。
本体である樹木のほうがあとで、 実のほうが先に伝わったというわけです。

 

よく『ご飯が腐らないように』といわれます。
その通りで、 梅干しにはクエン酸といって殺菌効果の高い強烈な酸が含まれます。
それが食品を腐敗から守ってくれると考えられます。

強い酸に殺菌効果のあることは昔から知られていて、お弁当のご飯やおにぎりに
梅干しを入れるのは、日々の体験からくる人々の生活の知恵でもあったわけです。
他には、たとえば寿司飯がそうです。ご飯に酢をまぜて腐敗を殺し、日持ちをよくしたのが
寿司飯ですが、特に夏場だと、酢が入っていなければ数時間ともたずご飯は傷んで
食中毒の原因ともなります。 そのくらい酸には腐敗を防止する力があると言われています。
また、夏のおにぎりが梅干しに限る理由は他にもあります。
一つは、夏場はよく汗をかきますが、汗になってでる塩分を補給して夏バテを防ぎます。
また、梅干しには見る者に唾液の分泌を促す不思議な力が備わっていて、
それによって食欲がそそられ、カロリー代謝を盛んにして、結果的に疲労回復がはかられ、
病人の食事に梅干しが添えられるのもその理由からと考え、食欲がわき、病気の回復が早まるといわれています。